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衝撃的な事実
交渉は創造すること

交渉とは

交渉はコミュニケーションの一つなのです。交渉と聞くと何かしらの損得をめぐって、他の人に自分の意見をのんでもらうことをイメージするかもしれません。交渉を勝ち負けと捉えて、『絶対に負けない交渉のテクニック』などの本も書店に並ぶのもその理由だと思います。また、心理的テクニックを使った交渉相手とは目の前に座る、書類の置き場所は真ん中より相手側においたほうが有利であるなどとあります。でも、これは交渉におけることのほんの一部でしかないのです。

王様と家来モデルの崩壊

ほんの少し前まで、どこの社会にもあったと思います。先輩の意見は絶対命令のスポーツ社会。上司と部下。社長と社員。先生と生徒。親と子。でも本来ならば、人間はみんな対等であるということを思い出しただけかもしれません。昔から伝わるいろんな宗教の教えではそのように教えられているはずなのに。実生活に活かしきれていなかっただけかもしれません。
令和の時代になれば、絶対命令などしたらモラハラ、セクハラ、虐待などで大騒ぎです。ですが、本当に大事なのことまで人の話を聞けなくなってはいけないとも思いませんか。大事な教えは伝えていかなければなりません。ここで必要なのが、愛の上でしっかりと信頼関係を築く上でのコミュニケーション能力ということです。相手の利害を考えた上で相手にもきちんと理解して同意してもらう必要があるのです。

事件は会議室で起こっているのではない

有名なドラマのセリフです。聞き覚えのある方もいると思います。事件は現場で起こっているんだ!と主人公の現場警察官が叫ぶのです。このドラマもずいぶん昔になりますから、おそらくとっくの昔にtop downの社会では問題は解決できないと気づいているのです。このように王様と家来モデルのように、指揮系統がtop downの組織は必然的に状況の変化にきびんに対応できなくなり、誤った方向に向かったとしても引き返せなくなるのです。
とはいえ、人間は変化を恐れる生き物です。それは長く生きていればいるほど、思い込みも強くて恐怖心で眠れなくなる人もいるかもしれません。あなたも少しは身に覚えがあるかもしれません。それもそのはず、たとえるなら上から下へボールを転がすのは川の流れのように簡単ですが、下から重たいボーリングの球を坂の上に押し上げるのは容易ではないのです。

未知の可能性を信じると使える交渉術

でも、大きな変化を伴うことは大変だと騒ぐことはありません。もし、どうしてもこれだけは実現する!伝える!幸せになるんだ!と決意をしたときにどこからか力が湧いてきます。これを火事場のそこ力とたとえたのだと思います。その思いがあふれたときに人間は未知の可能性を信じることができるのです。人間の思考が世界を創造しています。その手段として、決定権が自分だけではないときに使える交渉の基本を少しだけお伝えします。

  • 相手の立場を理解する
  • 自分が話すよりも相手の言い分を聞く
  • 必ずしもパイの奪い合いではない
  • 自分の取り分が多いから良いというわけでもない

交渉に何よりも大事なのは、相手の利害に焦点を当てるというこです。自分の立場と相手の立場がぶつかっているときに、私の立場もわかってくださいと言っても意味のないことです。そうではなくて、単純に相手側の利害関係を理解することです。交渉とは相手が真に求めていることを理解して、相手にとっての最善を先に思考して、それに自分にとっての最善を当てはめていくパズルなのです。これは決して地図のない宝探しではありません。そして、戦いでもありません。

あなたが思っている以上に相手の徳を優先することは、自分の徳と同じである場合が多いのです。ですが、一つだけ効果のない交渉方法をお伝えします。怒りや悲しみで訴える感情交渉ではお互いの最善にはたどり着くことはありません。お互いが理解した、合意点を探す最善策こそがWIN WINである、クリエイティブな交渉方法と言えるのです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考文献・引用文献 『影響力の武器』 ロバート・B・チャルデイーニ

『武器としての交渉思考』 瀧本 哲史