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歴史が教えてくれる暗示の力

大宗教運動の宗祖たち

暗示をくり返すことがいかに威力があるかを良く知っていて、それを巧みに使い、大きな成果をおさめています。世の中には、信仰する宗教の教理を生まれ落ちる時から語り聞かされ、それは先祖代々に渡り耳に注ぎ込まれています。そこに、信じることから由来する教養上の魔術がかならず力を及ぼしているのです。どんな宗教、宗派あるいは集団でも、神秘的なものであるなしを問わず、言葉の繰り返しがあり、祭式があることはご存知の通りです。そこに暗示の力が現れることは言うまでもありません。暗示の力によって、それぞれの教理に応じた現象が現れてくるのです。

二つの暗示

暗示は、自ら自分に暗示をかける自己暗示と、外からくるもの外来暗示のいずれを問わず、体内のある機能を促し、潜在意識の創造的な仕事を起こさせるのです。祈りなどを反復して行うのはまさにそのためです。宗教の歴史がいかに暗示の力を使っているかよくわかります。いつしか信仰は信念をつくるようになるのです。その信念がかたく根を張れば、いろいろな現象が起こってくると言うわけです。

有名な建築家

『おれはこの建造ができる。そうだとも必ずしもやってみせるぞ』と自分に自分で言い聞かせます。彼はひそかに心のうちで、毎日1000回もくりかえします。

フランク・ロイド・ライト(1867-1959)

 

「あなたが本当にそうだと信じることは、常に起こります。そして、信念がそれを起こさせるのです。」

 

反復暗示の威力

これと同じ手法を使って、ヒトラーはドイツ民族を統合し、世界征服を企てました。彼の『我が闘争』を読むとそれがはっきりわかります。恐ろしい言葉が連なっているのでここでは省略しますが、一歩間違えれば誰もが思い込んでしまうかもしれないことが書かれています。彼は暗示の理論に通じており、それを活用する手段にかけては驚くべき達人でした。彼は名演技と、宣伝効果を使い、一大スケールの暗示作戦に乗り出し歴史に名を残しました。彼は公言しています。

『暗示の心理技術は、その使用法を知る人の手におちいると恐ろしい武器にもなる』

思考の強風になびく

世界中で起こる戦争は暗示の力に圧倒されて悲劇をうんでいます。あらゆる個人的な考えはマヒし、国民はきまった型にはめられていました。戦争はすべて無条件的に勝利でなければなりません。

『戦争時には、異説はすなわち反逆である』ここにも思想の恐るべき力が見られます。この力が国民を支配し、その命じるままに動かないわけにはいかなかったのです。くり返される暗示の威力は私たちの理性を消し去り、直接感情に作用し、ついに潜在意識の心底にまで入り込むのです。

すべてはあなたの手の内に

この歴史の中から私たちは何を学ぶかということです。私たちは選べる時代に生まれてきたことを心から感謝していくことだと思います。ありのままの自分を愛して、未知の可能性を信じていくことを私は選びました。誰もがもつ人間の力・潜在意識を効果的に動かしていくコツは日々のくり返しの思考術にあります。暗示の力を使って誰もがなりたいあなたになれるのです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

参考文献・引用文献  自己暗示 C.H ブルックス E. クーエ